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おしりから突き上げるような生理痛の治し方

公開日:2022年11月04日 更新日:2023年09月12日

目次

病院やクリニックで治らない生理前、生理中のおしりの痛みの方が増えています

現在、当院では病院やクリニックで治らない生理痛、PMS、月経痛、生理不順などの痛みや不調でお悩みの方が多くご来院されています。 その中でも特徴的な症状に「おしりから突き上げるような痛みでつらい」、「生理前や生理中におしりがキューっと痛い」、「生理中におしりの穴が痛い」というお悩み方が増えています。多くの方がこのような生理痛に対して服用する割合が高いのがピルです。 しかし、ピルの服用は人によって想像以上に副作用がつらかったり、生理を止めることに不安を感じたり、さまざまな理由でピルをやめたいと考えている方がいます。 今回は「おしりから突き上げるような生理痛の治し方」と題して生理痛の種類やピルについて、さらに東洋医学による改善方法を含めて解説します。
生理痛のおしりの痛みはプロスタグランジンの影響

生理痛は排卵後に厚くなっていた子宮の壁が役目を終えて剥がれ落ち血液とともに体外に排出されるときに起きます。 このときに生理痛(月経痛)の原因となっているのはプロスタグランジンというホルモンです。 このプロスタグランジンは分泌量が多いと子宮の収縮が強くなり周囲の血管の充血や鬱血などが起こり痛みの原因になります。 「おしりから突き上げるような痛みでつらい」、「生理前や生理中におしりがキューっと痛い」という症状はこの子宮の収縮や鬱血の痛みになります。 これらの痛みが生活に支障が出るほどのひどい痛みの生理痛(月経痛)の場合は「月経困難症」と診断されることがあります。※1
生理痛の症状&セルフチェック

生理中によく起こる症状には、以下のようなものがあります。当てはまる数が多いとそれだけ生理痛が強いことを示します。※2 ・腹痛(とくに下腹部痛) ・腰痛 ・頭痛(筋緊張型頭痛や偏頭痛) ・下痢っぽくなる(軟便) ・胸やお腹が張る(張痛や膨満感) ・イライラする ・不安になる(抑うつ感) ・怒りっぽい ・眠くなる(過眠傾向) ・だるくなる(倦怠感) ・気持ちが悪い(胃がムカムカ) ・吐き気がする ・食欲が異常に増す(過食) この中でも特に「腹痛」を訴える方も多く、 ・下腹部(子宮のあたり)が激しく痛む ・腰のあたりが痛い ・おしりから突き上げるような痛みを感じる(おしりがキューッと痛く感じる) このように、生理痛は様々な症状を引き起こすため人によって症状が異なることが多くあります。 生理は毎月起こるため生理が来るたびにつらい生理痛を繰り返すと、さらに生理痛の痛みがひどくなることもあります。
【東洋医学】生理痛が起こる時期で体質に違いがあります

生理痛は古来中国でも存在しており東洋医学では痛みが起こる時期や痛み方など病態を細かく分類して生理痛の治療を行っておりました。 生理痛が起こる時期によって体質に違いがあります。 以下の通りです。 ①生理の始まる3日前ぐらい前から、胸部、腹部などが張るような痛みが現れるものは実証(気血の巡りが滞って溢れて不調が起きる)に属しています。 ②生理後2~3日間シクシクする痛みが長引くものは虚証(気血の巡りが滞って不調が起きる)に属しています。 ③生理の4日目ごろに痛みがひどくなる人は気血の不足が原因で起きている虚証タイプになります。
【東洋医学】キューっとした痛みは冷えが原因

また東洋医学では生理痛において痛み方(痛みの種類)によっても体質診断を行います。最近、当院でも増えている「生理前や生理中におしりがキューっと痛い」というのは抽痛(ちゅうつう)と呼ばれる痛みであり原因には身体の冷えが関係していると東洋医学では考えます。 生理痛の痛みの種類による体質は以下の通りです。 ①刺痛(しつう)・・・針で刺すようにズキズキする痛み、痛む場所が固定している。これは血の停滞(血於けつお)による症状です。 ②脹痛(ちょうつう)・・・胃・腹部が張るのは気の停滞によって起こります。気の停滞により血を運ぶ機能も低下するため血の停滞も起こりやすくなります。 ③隠痛(いんつう)・・・強い痛みではなく、シクシクした痛みです。気血が不足して子宮を滋養できない虚証の痛みである。生理後に腰痛が出てくる人はこの隠痛になります。 ④抽痛(ちゅうつう)・・・抽は収縮の意味を持ち、キューっとひきつれるような痛みの種類です。収引を主るのは寒邪(冷気や寒さによる不調)の存在によっておこります。
生理痛でピルの服用をためらう人が増えている

さきほど生理痛のメカニズムについて解説しましたがこのようなプロスタグランジンなど女性ホルモンに分泌をコントロールして痛みを起こさないようにするのがピルになります。 しかし、ピルは生理そのものを止める作用があるため妊娠を望む女性などは服用をためらう方も多くいらっしゃいます。 またピルの副作用には頭痛や吐き気といったマイナートラブルが起こりやすく、服用をやめるとつらい生理痛がまた出現してしまうため継続的な服用を余儀なくされるため「費用が想像以上にかかる」と感じている方も多くみられます。
ピルの服用で起こる副作用について

ピルの服用開始から2~3か月の間は、吐き気や頭痛、乳房の張り、むくみ、だるさなどのマイナートラブルと呼ばれる副作用が起こる場合があります。 ※3 この副作用の現れ方や程度については個人差があり、人によってはこのような症状が強く現れてしまう方もいるでしょう。 副作用は、体がピルに慣れると症状も落ち着くことがほとんどですが、我慢できないほどつらい場合や日常生活に支障をきたすこともあるため注意が必要です。 【主な副作用について】 ・軽い吐き気 ・眠気 ・下腹部痛 ・不正出血 ・胸の張り ・むくみ ・太る ・うつ ・落ち込み
生理前や生理中のおしりの痛みに効くセルフケア

「薬が効かないから他の方法で生理痛を楽にしたい」とセルフケアでお悩みの方はいらっしゃると思います。 その場合は、以下のようなセルフケアを試してみてはいかがでしょうか。 [身体を積極的に温める、なるべく冷やさない] 血行循環を促進させるために、膝掛けブランケットなどを使用し、カイロなどで下腹部や腰を温め、冷房などで身体を冷やしすぎないことが大事です。 また、温かい食べ物や飲み物をとり身体の内側からも温めて、入浴の際はシャワーだけでなくお湯にしっかりとつかることを心がけるといいです。 [リラックスできる体勢にする] 生理痛によってお腹や腰に痛みが出現すると、痛みのせいで身体の筋肉が緊張してしまい余計に痛みが感じやすくなってしまいます。 そのためできるだけ無理のない、身体の力が抜けるリラックスした体勢で過ごすことで生理痛は緩和できます。また、就寝時の生理痛の緩和のポイントはお腹を丸めて横向きに寝ることです。 この姿勢は身体の緊張がスムーズに和らぎます。生理中は、痛みだけでなく、精神的にも憂鬱な気分やイライラなど不快な症状が現れやすい時期です。 また、だるい(倦怠感)、気持ち悪い(吐き気、胃のムカムカ)、疲れやすくなる(疲労感)、という症状が出る人もいます。そのような時は無理に動くことはせずに、リラックスしながら安静に過ごすことが大切です。※4
生理前や生理中のおしりの痛みを改善するツボ

【生理前や生理中のおしりの痛みを改善するツボ】 ・陰陵泉(いんりょうせん)・・・ひざの内側の下にある太い骨(脛骨内側顆)の下にあるくぼみ。 【ツボマッサージのポイント】 親指でツボの周囲を押してとズーンと響くポイントがあります。 響くところを見つけたらじっくりと5秒間指圧したあとに力を緩めずに小さく円を描くようにマッサージしてみてください。 深呼吸を行いながらこれを3セット行います。
生理痛におすすめの漢方薬は桂枝茯苓丸

東洋医学の考え方では、「気血(きけつ)」は常に全身を隈なく循環しています。しかし、身体の「血(けつ)」の流れが滞ったり不足すると、生殖器への栄養が停滞してしまうことがあり生理痛の症状が出現してしまいます。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、滞った血(けつ)のめぐりを良くする作用があるため、滞った生殖器への血の巡りが正常に戻り、生理痛、月経不順、月経異常などを改善することができます。 【注釈】・・・桂枝茯苓丸は保険適用もあり、ツムラ25が製品番号になります。服用する場合は医師、薬剤師と相談した上で開始してください。
当院が考える生理痛の鍼灸治療

「おしりから突き上げるような痛みでつらい」、「生理前や生理中におしりがキューっと痛い」、「生理中におしりの穴が痛い」といった東洋医学では抽痛と呼ばれる症状の生理痛の場合、原因は身体の冷えであることが多いため、当院では身体の冷えが改善させる東洋医学のツボを利用して鍼灸治療を行います。とくにさきほど取り上げた陰陵泉というツボは婦人科の不調には効果的ですので鍼灸治療を施します。また腹部周囲に「おけつ」という血液の滞りがある場合はお灸などを行い血流の促進を促します。生理痛は自律神経の乱れだけでなく女性ホルモンの乱れも関係するため、両方の働きが正常に戻るようにツボを選定し治療を進めます。
おしりから突き上げるような生理痛は当院の東洋医学の鍼灸で改善できる
現在、当院では病院やクリニックで治らない生理痛、PMS、月経痛、生理不順などの痛みや不調でお悩みの方が多くご来院されています。 生理痛は女性ホルモンであるプロスタグランジンの乱れによって起こります。 このホルモン分泌の調整に自律神経が関わっていますが、冷えやストレスなど身体的、精神的な負担によって自律神経の調整も乱れを起こします。 この不調が生理痛の原因です。このホルモンバランスや自律神経の調整には東洋医学に基づく鍼灸治療で改善できます。 東洋医学に基づく体質診断によって一人ひとりに合った根本的な治療を行い生理痛を解消します。 ぜひ、「病院にいっても薬を処方されるだけで治らない」とお悩みの方は当院の鍼灸治療を受けてみてはいかがでしょうか。

関連する記事 更年期の動悸や下腹部痛が治るブログ 更年期でふらふらするときに効くツボ 生理前やPMSの吐き気に効く鍼灸のツボ [参考] ※1 .月経痛(生理痛)/ヘルスケアラボ 鶴賀 哲史 https://w-health.jp/monthly/algomenorrhea/ ※2.ひどい生理痛(激痛、下痢、吐き気)の原因、月経困難症とは/NHK健康チャンネル ※3.医学の発展とともに変化した低用量ピルによる治療法/山口レディスクリニック ※4.生理痛とセルフケア/東洋大学 https://www.toyo.ac.jp/academics/student-support/support/dispensary/topics/38853/
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自律神経専門鍼灸院コモラボでは、
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東洋医学に基づく鍼灸院です。
睡眠障害(不眠症)、動悸、不安症、不妊症、頭痛(肩こり頭痛、偏頭痛)、更年期症状(イライラ、ホットフラッシュ、動悸)、耳鳴り、睡眠薬・鎮痛剤の副作用など様々な不調に対応しています。
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鍼灸院コモラボ院長
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【国家資格・所属】
鍼灸あんまマッサージ指圧師、柔道整復師、心理カウンセラー、メンタルトレーナー 治療家歴14年、日本東方医学会会員、脈診臨床研究会会員
神奈川県の鍼灸整骨院にて13年勤務(院長職を務める)
現在、JR三鷹駅北口に自律神経専門の鍼灸院コモラボにて様々な不調の患者様に鍼灸治療を行っている。