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症例報告 「2年半前から続くめまい・立ちくらみ」

症例報告 「2年半前から続くめまい・立ちくらみ」
めまいには回転性めまい(メニエール病など)と浮動性めまい(脳の異常、自律神経の乱れ)の2種類がありますが、どちらも西洋医学では対処療法的な治療しかありません。
起立性調節障害を始めとする立ちくらみも血圧の調整をしている自律神経が大きく関わり、こちらも対処療法しかなく、病院では治せない慢性病です。
そのような慢性病には東洋医学の鍼灸治療が効果的です。今回はその症例の1つをご紹介いたします。

患者情報と症状

53歳 女性 会社員
めまい(立ち眩み)2年半まえからの症状。循環器科、婦人科にて検査し問題なし。不整脈と更年期と言われた。1日に何度も出る。発症のタイミングは法則性がなく、首から頭にかけて炭酸の様なジュワーっとした感じがでる。
ほてりと手足の冷えがあり、頭痛、動悸、吐き気もたまに出てくる。気圧の変化によっても。2週間くらい前に症状がひどくなり日常生活に大きく支障がでたので家族で話し合った結果しっかり治そうということになり来院。

初診時の評価

<所見>
上半身にほてりがあり、汗をかいているが手足は冷たい。左の脇腹に抵抗と圧痛がある。脈は肝、胆の脈が弱く、不整脈(脈が飛んでいる)がある。
首から肩にかけてコリがあり、腸骨稜から仙骨部にかけて圧痛がある。
<病態>
諸々の症状と所見から肝虚熱証と評価し治療を行う。
※肝虚熱証:肝(気血の巡りの機能)の機能が低下し、体に熱がこもった状態。気血の巡りが悪いことで首肩のコリや心に負担がかかり不整脈の症状が出ている。
肝の熱が平衡感覚を司る胆に波及し、その熱が上昇し停滞することによってめまいが起きていると考える。その熱(気)が下に降りてくるほどの力がないので胆の脈も虚している。

治療と生活のアドバイス

肝を補い胆の疎通を図る。動悸もあるので背部や胸部も含めて治療。治療開始時は不整脈があったが、治療終了時、壇中にお灸をした時、脈が一気に正常になった。
手足を冷えさないようにするのと、症状がまた辛くなるんじゃないかという不安感が強くあるので、それもストレスになると説明し、あまり気にしすぎないようにと伝える。1週間空けないでの治療を勧める。

経穴をひとつご紹介

「百会(ひゃくえ)」
左右の耳の頂点を結んだ線上で正中線との交点。
頭痛、めまい、鼻づまり、高血圧、頭のもやもやなどの症状に使用する。

症状の経過

2回目(4日後)
「前回後ぽかぽかする感じがあった。昨日、おとといは症状がほとんど出なかった」
3回目(4日後)
「昨日、おとといは症状出現。ただ確実に症状の回数は減っている」
4回目(4日後)
「1回だけ症状が出た。動悸と立ち眩み」4日間で1回だけという回数まで減ってきた。
5回目(3日後)
「調子良好。症状が出そうになるが、治まる」とのこと。「全然鍼を刺した感じがしなくて、初回もこんなんで終わり?と思うくらいで効果を疑っていた。こんなに効果があるなんて思わなかった」と言ってくれた。良さそうなので1週間空けてみる。
6回目(7日後)
「前回治療後に帰るときに一瞬症状が出たが、それ以外は問題なし」不整脈も落ち着いている。
7回目(7日後)
「良好。3日前くらいに少しふらつきがでたがすぐ治まる」
8回目以降
9回までは週1回で治療したが、その後は2週に1回のペースに変更。現在も通院している。疲労が溜まった時は不整脈(脈が飛ぶ)が出てきて、症状もすこし出てくる。しかし、基本的には日常生活に支障は出ていない。
本人が少し心配性なところがあり、現在も健康管理として通院している。
本人もみるみるうちに体調が良くなっていくことに驚いていた。

まとめ

めまい・立ちくらみは日常生活に支障が出ることが多く、他の症状に比べると危機感が強く出るからか、当院にも多くの患者様が来院され、我々の臨床経験でいうとほとんどの症状が改善できています。
今回のケースは2年半前からで慢性的な症状だったが、改善するまでのスピードは早かった。だが、心配性や不安症の人は少しのストレスでも一気に症状が悪化する可能性があるので、その点はしっかりとした説明が必要だと感じた。鍼灸治療の効果を感じていただけて良かった症例でした。


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