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症例報告 「月経周期(生理)に伴う不調(頭痛、倦怠感、不眠、月経不順)」

月経周期(生理)に伴う不調で悩んでいる人は多く、当院に来院される女性の患者様はほとんど該当します。 女性の体質改善といったらまずこれです。 主訴でなくても話を聞いていくと「生理の時は頭痛が…」「生理が2か月空くこともあります」という話が出てきますが、体の正常なリズムと機能が乱れ様々な症状が出ている状態です。症状は多岐にわたりますが、改善例の1つをご紹介いたします。
患者情報と症状
29歳 女性 会社員 虚弱体質(特に生理前になると様々な症状が出てくる) 生理前に片頭痛、過食、身体のだるさ(背部〜ももの裏)がある。気分の落ち込みも出てくる。 梅雨時期になると不眠傾向に。現在は薬を飲んでいるので不眠は少しラク。 月経不順があり2ヶ月空く時もある。介護職をやっており、夜勤もあるせいか自律神経が乱れ、適応障害にもなってしまった(心療内科にて診断) 体質的な物はあるが、最近特に辛い。ヘルニアで坐骨神経があり、仕事中にたまに痛みが出る時がある。
初診時の評価
<所見> 腹部全体が薄く緊張しており、脇腹に抵抗がある。下肢内側に圧痛(三陰交、血海)があり、冷えている。 肝(気血の巡りの機能など)の脈が弱く、陽経の脈は比較的強く打っている。手足は冷たい。 <症状と病態の一致> ・肝(気血の巡りの機能など)の機能が低下している時に診られる症状 頭痛・不眠・ヘルニアなどの筋骨格系の症状・月経不順 ・脾(消化機能、気を生成する機能)の機能が低下している時に診られる症状 倦怠感・梅雨時期の不調・月経不順 上記のことから脾虚肝実証と考え治療をする。 東洋医学の考えでは肝の機能が停滞し、気血の巡りが悪くなると脾を攻撃してしまい、脾の機能が低下してくるとされている。 本来、生理前、生理中は肝の機能(気血の巡り)が必要とされる時期なのだが、その時期に必要な機能が不足しているとこのような状態になる。いわゆる瘀血証だ。
治療と生活のアドバイス
肝の疎通を図り、腹部、仙骨、手足にもお灸を行う。気分の落ち込みなどの精神的な症状に関わる治療も同時に行う。 1週間に1回の来院を推奨。瘀血の人は冷えると症状が悪化しやすいので冷えないように保温に努めるように伝える。冷えとストレスの両方が原因になっている可能性があるので、足と腹部を温めるのと、娯楽を活用しストレスを溜めすぎないよう伝える。 甘いものが好きらしいので控えるように伝えた。(体を冷やす性質があるのと、脾を弱める恐れがあるので)
経穴をひとつご紹介
「足三里(あしさんり)」 膝のお皿の外側から指4本分下がったところ。脛の筋肉の上。 胃腸の調子を整える、腹部の硬さをとる、気血の生成など。
症状の経過
2回目(10日後) 「前回後調子が良かった。体のだるさが取れて、生理もきた。片頭痛もマシな感じ。間が空くと症状が戻る感じ」とのこと。なかなか通えそうにないとの話だったが、治療後症状がラクになったらしくまた来院。 3回目(7日後) 「本日も調子良好。頭痛も出ていない」 4回目(8日後) 「2日くらい風邪で寝込んでしまった。頭痛は出ていない。倦怠感もなし」 5回目(7日後) 「偏頭痛は出ていない。アトピー性皮膚炎のせいでかゆくて眠れない時も」とのこと。 6回目(7日後) 「頭痛は出てない。生理前だがいつもよりラクな感じ。気分の落ち込みや不眠の症状は少しでる。」 7回目以降 生理前の症状(倦怠感、頭痛)に関してはほとんど症状が出なくなってきた。ご本人も「明らかに体が変わっている感じがする」と言っていた。不眠症の症状はまだ少し時間がかかりそうだが、このまま治療すれば次の梅雨時期は問題なく乗り越えられそう。 14回ほど週1~10日に1回くらいのペースで通院し、生理不順は無くなり、予定通りくるようになった。現在は2週に1回ペースで来院している
現在の状況とまとめ
現在は生理不順が無くなり体の状態が整った影響か、おめでたいことに妊娠され、つわり、肩こり頭痛、安産のための体調管理として通院している。 卵巣、子宮に器質的な疾患がない、長期間のピル服用がない場合の月経周期に伴う不調に関しては比較的改善しやすい傾向にあるようだ。しかし、逆に言えば今回のケースではないが卵巣、子宮に器質的な疾患があったり、長期間のピル服用をしている人は症状改善に時間がかかる傾向がある。 他にも生活環境(今回のケースでは夜勤など)が大きく関わっており、夜勤を続ければ自律神経が乱れ、ストレスが加わるので、体調を崩すことも多くなる。 そのような我々の手が届かない環境を改善するのは難しく、患者様に理解される説明が大切だと感じた。
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