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プレ更年期対策で必要な体質改善とは

公開日:2022年10月21日 更新日:2023年02月13日 更年期障害は、ホルモンバランスが崩れることで自律神経が乱れ様々な症状が出現します。症状が出現する期間は幅広く、ゆっくりと出始める人は早くて35歳頃からとなり、この世代からの更年期障害を「プレ更年期」と呼びます。 さらに40代に入ると体力的にも精神的にも不安定になり始め、症状が深刻化していく場合があります。当院にも更年期の患者様は沢山ご来院されますので、改善例を1つをご紹介いたします。
患者情報と症状
56歳 女性 会社員 毎年春ごろから体調が崩れやすく、倦怠感、頭痛、ホットフラッシュなどの症状が出てくる。めまい、動悸がたまにある。頭痛は週2~3回くらい出る。肩こりによる緊張型(後頭部)がメインだが、天気が悪いときの偏頭痛も出る。起床時に肩こりがひどい。産後鬱(3~4か月で治った)になったこともあり、症状が出ないように抗うつ剤を服用している。
初診時の評価
<評価> 脈はどれも速く浮いており陽経の脈が強く陰経の脈が弱い。中でも肝(気血の巡りの機能など)の脈が弱かった。腹部(臍上)の肌にざらつきがある(最近出てきたそう)臍の左脇が張っていて脈打つ感じがする。 舌は赤く、上半身は汗をかいており、手足は比較的冷たい。 <症状と病態の一致> ・肝(気血の巡りの機能など)の機能が低下している時に診られる症状 肩こり・頭痛・動悸・ホットフラッシュ・皮膚のざらつき など 上記のことから諸々の症状と所見から肝虚熱証と評価し治療を行う。※肝虚熱証:肝(気血の巡りの機能)の機能が低下し、体に熱がこもった状態。 気血の巡りが低下することにより肩こり頭痛が生じる。春は肝が消耗しやすい季節なので、春に体調を崩しやすいというのも肝の機能低下を疑う。 更年期の症状の場合、肝の機能低下+陰虚(体を冷ます機能が低下している状態)の2つが合わさって発症していることが多い。 陰虚になると上半身に熱がこもりやすく、ホットフラッシュ・動悸・めまいなどの症状が出てくるため、今回は肝陰熱証(肝陰虚)としての治療と産後鬱になったこともあるので、精神的な部分に対しての治療(ストレス緩和)も行う。
治療と生活のアドバイス
肝を補いつつ、陰(体を冷ます機能)を補う治療を行う。同時に症状が出ている陽経の経絡の流れを改善する治療も行う。 鍼灸治療は受けたことがあるとのことなので、刺激は問題なさそうだった。はじめは1週間空かない程度の来院を推奨。 上半身に熱がこもると症状が出やすくなりので下半身を温め、上半身は体温調節しやすい服装を勧める。夏の時期だったので夏野菜(ナス、キュウリ、トマト、ゴーヤ)などを摂り、自然に熱を下ろしていくように伝える。
経穴をひとつご紹介
「陰陵泉(いんりょうせん)」 脛の内側を下から指でなぞって指が止まるところ(カーブしているところ) 「陰」という文字が入っていることから、身体を冷ます時に使用したり、消化器系や婦人科系の疾患の時にも使用することが多い。
症状の経過
2回目(4日後) 「前回後当日はよく眠れた。次の日からだるさがでたが少しずつ落ち着いてきた」とのこと。引き続き前回同様の施術を行う。 3回目(4日後) 「睡眠の質が良くなっている感じがある。今までは夜眠るまでに時間がかかっていたが、寝落ちするようになってきた。頭痛も出ていない」とのこと。 4回目(4日後) 「3日前くらいからすごく調子がいい感じ。肩こりや倦怠感もラクに」調子が良さそうなので1週間空けてみる。腹部のお灸を少し多く加えた。 5回目(7日後) 「首肩〜頭にかけて痛くなる。今は少し落ち着いた」とのこと。鍼の刺激量は変えていないが、症状が治療後からぶり返したとのこと。おそらく腹部にお灸を加えすぎたのかもしれない。今回はお灸を控えめで施術を行う。 6回目(7日後) 「前回後は調子が良かった。頭痛や倦怠感はなし。ホットフラッシュが少しある」やはり更年期症状にはお灸の刺激は敏感で繊細なのだと再認識した。 7回目以降 ここから症状が安定してきてだいぶ改善してきた。ただ、疲労が溜まった時や、ストレスが加わった時にその都度少し頭痛が発症するときがあった。 ホットフラッシュもまだ完全には治っていない状態だったので15回目までは週1回のペースで治療した。 ホットフラッシュ症状が落ち着いてきたので、現在は2週に1回ペースで様子を見ながら治療を行っている。
現在の状況とまとめ
もともと季節の変わり目に体調を崩しやすい方だったので、来年の春に向けて体調を整える目的で現在も通院している。 お灸の刺激量によって治療の効果が大きく変わってくることが分かった。40~50代の女性の多くはこのような症状を抱えているのでしっかりとした治療を確立していきたい。 そして更年期症状は短期間での症状を図るのは難しいと感じた。 更年期の期間は約10年と言われているため、短期間で治療して終了というよりは、再発防止のためにも症状が改善した人も2週~1か月のペースでもいいので継続した治療が理想と言えそうだ。
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